Column

2018.10.31

コンサルモデルのパブリッシャーマネタイゼーションの必要性




トレーディングデスク局
Marketing Lab Division プロフェッショナル
杉山 甫

■はじめに
我々はトレーディングデスクとしてデマンドサイドへの深い理解を持ちつつ、その知見や機能をパブリッシャーへ一部提供しプロフィット支援を行うプレイヤーとして、約2年間の取り組みを行ってまいりました。
日々パブリッシャーと並走する中で見えたことは、当初から我々が認識しているパブリッシャーのプロフィット領域の課題は大きく変わっていないものの、求められる価値や機能は、より明確になってきているということです。
本稿では、現況の課題やその背景に触れながら、我々の視点から見たパブリッシャーマネタイゼーションについての考えを示させていただきます。

また、2017.11.08掲載のコラムでパブリッシャーが抱える課題についてもまとめておりますので、併せてご覧ください。

●2017.11.08掲載コラム

https://heartlass.co.jp/column/2017/1300/

■広告主のニーズの多様化と広告商品の販売不振
パブリッシャー側でのマネタイズ方法は多岐に渡りますが、コンテンツパブリッシャーのマネタイズの主軸は、広告商品であることが一般的です。中にはサブスクリプションモデルを導入されているコンテンツパブリッシャーもありますが、広告商品も並行してご用意されていることがほとんどだと思います。
広告商品の提供において、広告主側のプロモーションの複雑化とそれに伴うニーズの多様化が進行し、パブリッシャーが従来実施してきた提供方法だけでは、ニーズを満たしきれなくなっている状況がここ数年で急速に進んでいると考えています。
現に、純広告やタイアップが売れにくいというお話はパブリッシャーから良く伺いますし、今や慢性的な問題になっているとさえ思われます。言うまでもないことですが、広告商品の売上の多寡は収益、ひいては良いコンテンツの継続的な生産にも影響しますので、高い危機感をもって議論が続けられています。
また、これは直販のみならず、代理店経由での提供の仕方も影響しているのかもしれません。本来、広告主のプロモーションとメディア商品を上手く繋ぎ合わせる役割を担うメディアレップや広告代理店などのプレイヤーの一部が、従来のやり方で引き続き販売を続けていることも問題の一端となっているのではないか、という声も耳にします。(もちろん、販売側の問題というわけでは無く、パブリッシャー側の課題もある前提として、です)

■パブリッシャーと広告主の価値認識の一致と提供方法における認識のギャップ
読者ファーストで良いコンテンツを生産し続けているコンテンツパブリッシャーは、多大な労力と予算を掛けてそのメディア基盤を作り続けています。良質な記事とそこで形成されているアセットは、そのパブリッシャーの固有の価値を生み出しています。
一方で、広告主が求めているコンテンツパブリッシャーの価値の本質も、掲載場所としての価値、集まる読者の価値、コンテンツ生産力(企画力、制作力、編集力)などで、双方の価値認識の齟齬はないように思います。
しかしながら、このような認識の一致があるにもかかわらず、その価値の提供の仕方においては、両者の間にギャップが存在しているように感じます。
広告主が施策実施する際に考えていることは、突き詰めるとその施策がビジネスインパクトをどの程度もたらすのかということに尽きると言えます。当然これは、コンテンツパブリッシャーへの出稿に限ったことではありませんが、少なくとも広告主の施策全体内での直接的・間接的な出稿効果の最大化への視点が不可欠であると考えています。
したがって、我々が考えるパブリッシャーマネタイゼーションにおいては、以下のような視点が、多くのパブリッシャーの従来の商品提供方法が不足しており、ギャップを生み出しているのではないかと考えております。

●出稿効果をどのように定義し計測するのか
●広告主の他施策との相乗効果はあったのか
●次回以降、より効果を上げるためにどのような工夫ができるのか
●広告主の顧客理解やプロモーション上で活用できそうなデータや示唆があるのか

これは全てのパブリッシャーが当てはまるわけではありませんし、この課題についての認識をお持ちのパブリッシャーもいらっしゃいますが、やはり多くのパブリッシャーが抱えている課題であるとともに進め方の難しい問題なのではないでしょうか。

■コンサルモデルの必要性
上述した背景から、我々はパブリッシャーのプロフィット領域におけるマネタイズを成功させるために、アセットの提供方法におけるアップデートが必要だと考えています。
しかし、広告主の多様化したニーズに合わせて、パブリッシャーが自身のアセットをフル活用した提案を行うためには、必要となるリソースが非常に多くなります。また、既存でお持ちの人材や機能だけでは対応しきれない領域も多いと考えています。
例として、我々が広告主に通常行っているような提案において必要とされる能力、機能を整理して考えてみます。(※図1)
広告主のプロモーション全体、または部分的にでも提案を行う場合、多くの施策を実施する(している)ケースが多いため、広告主の業界・業種理解は前提として、幅広い媒体・ツール・機能の知識、設計、運用、計測、評価、分析、レポーティング等々の幅広いノウハウが必要となります。またそれらの組み合わせを考慮したプランニング能力やスケジュール策定・管理・調整を行うディレクション能力、これらを踏まえて広告主と会話し、ゴールにたどり着くまでの継続的なコンサルティングのスキルも必要になってきます。

図1

以上は理想的なパターンですので、必ずしもパブリッシャーが全てを網羅する必要はないとは思いますが、先に挙げた現況を踏まえると、「広告を販売する」という視点においてパブリッシャーのアセットの価値最大化に必ず必要となってくるポイントだと考えております。
そして、パブリッシャーがこれらを整える場合、体制や意思決定の問題を含め大掛かりになることが予想されますが、部分的にでもできるだけ早く取り組んでいく必要があると感じています。
実際に、現在お取引させていただいているパブリッシャー様におかれましても、我々とともにこのような課題に向き合い、少しずつアップデートを進めている状況です。
我々のようなデマンドサイド向けの機能や知見のあるプレイヤーと力を合わせて広告主に向き合うことで、部分的にでもコンサルモデルへの移行のお取り組みを強化していくことが可能だと考えております。

■三方良しを実現していくために
上述したようなコンサルモデルへの移行というワードだけ見ると、既存の販売方法よりも対応領域が拡大し、悪く言えば手間のかかる提案になるように見えます。
しかし、提案内容やコンサルティングを充実させることによって広告主と深い関わりを構築でき、データや打ち手の範囲が広がり、受注単価の増加や継続率の上昇を見込むことができると考えています。
さらには、コンテンツパブリッシャーの本来の強みであるメディア、ユーザー、コンテンツ生産力を最も活かせる提供方法がコンサルモデルであるとも考えております。
広告効果最大化のためには、言うまでもなく「広告主にとっての顧客」を深く理解し、複雑なカスタマージャーニー上でのタッチポイントで、効果的に施策を展開していく必要があります。コンテンツパブリッシャーはそのタッチポイントと顧客(メディアと読者)を持ち、その読者(ユーザー)への深い理解があり、読者が喜ぶコンテンツを制作・提供する能力を持つ存在だと考えています。
この視点で考えたときに、コンテンツパブリッシャーが読者ファーストでありながら、広告主のニーズにも答え、パブリッシャーとして成功する、というような三方良しの関係を上手く成立させられるのではないでしょうか。
我々はこのような視点で、パブリッシャーと日々並走し広告主に向き合い、そのアセットを最大化するためのサポートをさせていただいています。プロフィット領域での変革に一緒に挑戦する良きパートナーでありたいと考えております。
本稿で記載したような課題でお困りのご担当者様がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談いただければと存じます。




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